家族を失った時(家族ロス)に後悔しない為にする一つの事

○○ロスという言葉が流行っている、というか定着しています。ドラマが最終回を迎えて終わってしまった時に使われることが多いですね。「あまロス」や「伍代ロス」など例を挙げるとたくさん出てきます。

それだけではなく、「ペットロス」やもっと身近な関係だと「家族ロス」があります。意味としては大切な人や物・心の支えになっていたことが亡く(無)くなる事で起こる喪失感の事です。心にぽっかりと穴が空いてしまい空虚な気持ちになってしまう状態です。

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嫌な肉親であっても失えば悲しい

実はこの記事を書く数週間前に、私の祖母は亡くなりました。その後、葬儀を終えてしばらくは喪失感がなかなか抜けず、最初に書いた「ロス」の状態になってしまったのです。

自分でもこれには驚きました。3年ほど前から実家ではなく別の場所に住んでいたのでそんなに関わることは無かったのです。

なぜ関わらなかったかと言うと、理由はたった一つです。とてもおっかない人間だったからです。何の拍子に怒りだすかわかりません。そして怒ったら止められません。物は壊し、暴力を振るい、大声で喚き倒します。そういう記憶があるため出来るだけ関わらないようにしていました。

その為亡くなったところで「平和になる」としか感じないんだろうなと勝手に自分で想像していましたが、そうではありませんでした。悲しくなりましたし寂しい気持ちにもなったのです。

最初は戸惑いました。散々暴れまわった人間です。殺しても死なないような人間に見えました。それが実際に亡くなった…という事実は受け入れられませんでした。しかし葬儀から10日くらいはじわじわとした喪失感に襲われていたのです

なぜか思い出すことは私が幼い日の事でした。オセロで遊んだり日向ぼっこしながら本を読んでもらった事を思い出したのです。良かった記憶がだんだんよみがえってきてはちょっとウルッときてしまいました

そしてあのおっかない場面も、自分の事を心配してくれたからこそなのかなとも考えるようになりました。感情表現は確かにとてつもなく下手くそでしたので、ただ怒り狂っていただけではないのかなと、そう思うようになりました。

確かに思い出補正は入っています。思考の変化も、亡くなったからこそこういうことを考えられるようになったのかもしれません。存命の間はおっかない記憶しか出てきませんでしたので。自分の中で無意識のうちに美談化させている事もあると思います。

思い立ったらすぐに会って話をしよう

あまり実家に寄り付かなくなり、亡くなる数か月前に入院することになりましたがなんだか会うのは気が引けていました。理由はおっかない記憶があることで会いたくないと思ってしまった事と、殺しても死ななそうな人間だったのに入院するなんて信じられなかったという事です。

しかしそれは亡くなってから後悔することになりました。「もう本当に危ないから来い」と言われてから見舞いに行きましたが、あのおっかない人間は小さくなっており弱々しくなっていました。

「俺だよ、ひらなりだよ」と声をかけると目をこちらに向け、笑顔を見せて「来てくれたんだね、ありがとう」と小さな声で答えてくれました。その目と声は私が幼いころの祖母を思い出させました。10分くらいずっとそこにいて話をしたりして過ごし、私が帰るときに「また来るからね」、「また来てね」と言葉を交わして病室を後にしました。

その後、2週間たってから再び見舞いに行くともう意識はあるのかないのかわからない状態でした。わかるのは呼吸をしていることくらいです。聞こえているかわかりませんが「また来るね」とだけ言って帰りました。

その後電話で亡くなったと連絡を受けてから葬儀まではなんだかてんやわんやしていてよく覚えていません。葬儀を終えて遺骨が家に戻ってきて初めて「あ、亡くなったんだ」と納得できたのです。

そこから過去の事を思い出してロスになってしまったのです。もっと早くに頻繁に見舞いに行けば良かったなとかそういう事ばかり考えてしまいました。まだ会話が出来た時に見せたあの笑顔が頭にこびりついてしまいました

悔しくなりましたね。四の五の言ってないで見舞いに行けば良かったとか、過去の事を引きずって何をグダグダ考えていたんだろうとか、自分の今までの行いに怒りを覚えました。

ですから、いくら嫌な感情があったとしても家族です。亡くなってしまうともう会話なんて出来ません。とにかく一回会って話をしない事にはその後の後悔はとても大きいです。いくら会って話したとしても後悔の念は残るかもしれませんがその念はなるべく小さくしておくに越したことはありません。

まとめ

・苦手・嫌な感情がある人でも亡くなると「あぁしておけばよかった」と後悔する
・後悔する前に出来る限り会って話をしておく

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