マスク依存症、自己防衛の鎧

この記事を読んでいるあなたに1つお聞きします。あなたは「マスク」をいつどのような時に着けますか?風邪をひいたとき、花粉症の季節、インフルエンザが流行しているとき、いろいろありますね。

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マスクで周囲と壁をつくってしまう心理

主にマスクは感染症予防の為に使用するものですが、そうではない場合もあるのです。常にマスクをしていないと気が落ち着かないという人もいるのです。その人は風邪などの心配が無くてもマスクをし続けているのです。

と、他人事のように書いてみましたがこれは過去の私の事です。また、私の周りにもいました。ではなぜ私はマスクをし続けていたのかを書いていきます。

きっかけは風邪

私はもともと、対人関係が苦手でした。周囲とどのように接していいのかわからない、他人にどう思われるか、何を言われるか怖くてビクビク・オドオドしている人間でした。

そんな中、入社して数年経過すると長時間労働と人間関係が原因の疲れが顕著に表れてきます。鬱と診断される数か月前に、私は割と重めの風邪をひいてしまいました。

でも会社には行かなければいけなかったので、マスクをして出社しました。その時私はいつもと違う気分になったのです。

すごく気分が落ち着く

という感覚がありました。自分の顔の大半の部分を隠すこと、しゃべる部分を隠すことでこんなにも安心感を得られるのかと思ったのです。

それ以降は風邪が治ってもマスクをし続けていました。この心地よさは自分の癒しになっていました。そして周囲に対する恐れや緊張感も大きく軽減されたのです。

自分を消す

マスクをすることで、自分という人間を周りの世界から隠す効果が得られます。漫画でいうと「モブ」になれるのです。これによって自分がピックアップされる心配は軽減されます。

自分が目立たない存在になるわけですから、自分の本性を表しても目立たないのです。「自分」であることを認識されにくくなるから安心して本領を出すのです。これを「仮面効果」といいます。

マスクをすることで少しは周囲から話しかけにくくなりますし、話しかけられても自分の表情は読み取られにくくなります。自分が困っていたりする表情を見られ、そこに付け込まれていいように使われる恐れもなくなるのです(本当はそんな事は稀ですが)。

とにかく、マスクをすることで自分が周りの人間と関わりたくないことを明言しているようなものなのです。物理的に口が見えなくなりますから。

なぜなら対人関係が苦手な人にとってどうしても必要なこと以外は会話したくはないのです。雑談なんてしたくありませんし、一人でいることの方が楽ですからね。

見られたくない部分を隠す

もしくは、自分の顔で恥ずかしいとか、見られたくない部分を隠したいからという意味もあります。自分の見られたくない部分があり、それを隠すツールがあるなら使いたいですよね。それも周囲に見られえたくない部分で突っ込まれたり、話のタネになってしまうことを恐れてしまうからです。結果として周囲との壁をつくっているのです。

かつて私が働いていた会社でこんな女性社員がいました。風邪をひいているわけでもなさそうなのです。どう表現していいかわからないのでストレートに書きますが、綺麗な女性でした。ただマスクをしている確率があまりにも多かったのです。気になったので聞いてみました。

「花粉症か何かですか?」と私が聞くと、こう答えました。
「いえ、目元以外化粧してないんで…それを隠してるだけです。」
伊達マスクでした。私は男で、相手は女性ですからその理由もいろいろ男女で違いますが、こういうこともあるのですね。

この人の場合は単に化粧していないだけでしたが、自分の顔の造形にコンプレックスを持っている人もそれを隠すためにマスクをします。自分の欠点だと思っている部分を隠せば、安心できますから。

まとめ

マスクをすることで安心感を得て、それが無いとダメな状態、それがマスク依存の心情です。確かに手軽なツールですが、あまり使い過ぎると「周囲との壁」をがっちりと作ってしまい、周りとの関係が希薄になってしまいます。

私はマスク依存で周囲に相談できる人がいなくなり…そして鬱と診断され、最終的に退職することになりました。

周りとの壁は作っても良いことは無いです。面倒でも人間関係はつなぎとめておいた方が良いのです。でないといざという時に相談できる相手がいなくなってしまいますし、声を発することがなくなるとしゃべれなくなります。

大丈夫、自分を隠す必要なんてありません。あなたは、あなたのままでよいのだから。

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