論理ガール 〜Lonely Girl〜 人生がときめく数学的思考のモノガタリ

私は、数学が苦手です。数学の公式なんて暗号にしか見えません。数学なんてわけのわからん公式を覚えても実際に使う事なんてできず、試験なんて問題すら理解することが出来ない人間です。そもそも数学なんてなんの役に立つんだと考えています。

しかし、『論理ガール 〜Lonely Girl〜 人生がときめく数学的思考のモノガタリ』はその考え方を改めさせてくれるきっかけになりました。

私は仕事で話をしたり、作業をする際にどう効率よく出来るかを考えたことがあります。課題やトラブルの解決の為論理的な思考をしたいと思っています。その思考法を伝授してくれたのが本書です。

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なぜ買ったのか

数学に関して苦手意識はありましたが嫌いではないです。ただIT系の仕事をしているので理系の事はやっています。そうなると周囲の人間は理系で数学の出来る人たちです。数学的思考について知りたいと思い、「読まねば」という謎の使命感もありました。

内容としてはド文系のアラサー男が数学オタクの女子高生の数学的対話をして生き方を論じていくものです。そしてまさに私がド文系のアラサー男なのでついつい購入してしまいました。

ド文系にもわかりやすい内容

小生意気な数学オタク女子高生に最初は嫌悪感を抱きつつ読み始めました。しかし読み進めていくうちになぜ嫌悪感を抱いているのか分かったのです。

自分が論理的思考が出来ないから、口下手だから論破されることに恐怖心を抱いていたからだという事がわかりました。私は感情や雰囲気で物事を考えたり答えを出したりする人間です。その為なぜそう考えるか・なぜその答えなのかと聞かれると言いようがないのです。

聞かれると答えられない、何も言わない・説明できないのですから「わかってくれよ」と思ってもわかってもらえるはずがないです。そのことで私は周囲との壁を感じ、対人関係でこじれた経験があります。

そういった感覚のようなもので生きている私でも納得できる証明が、数学的思考により導き出されています。読み進めるうちに「そうそう!論理的に考えると自分はそう考えてたんだな。」と頭がスッキリしてきました。嫌悪感も気づけば消えていたのです。

これなら説明できるな!こういう本ともっと早く出会いたかったというのが率直な感想です。

数学的視点からアプローチする「生き方」

まさか数学で人生語られるとは思いませんでしたけどね。数学の上っ面の部分ではなく本質を知ることが出来た気がします。

内容としては人間関係や人生の不安・お金の不安・仕事の満足度・遊び・恋愛に関してです。一見数学では説明できなさそうな事を数学的視点で、数学が苦手な私にもわかりやすく手順(仮説・検証)を踏んで解説されています。身近なことを例に数学的思考が解説されていたので数学に親近感をもって読めました。

しかしまずは自分で考えるよう促される問答形式なので自ら考える楽しさもあります。だから数式を見ただけで頭がくらくらする様な私でも読み進めることが出来たのだと思います。おそらく数学の本を一度に最後まで読破出来たのは初めてです。数学って楽しいものなんじゃないかと思えるようになった一冊でした。

ただ単に公式を覚え、問題を解く数学ではありません。数学的視点からアプローチをして思考をめぐらし答えを導き出す「過程」、それが数学の本質なんだなと感じました。

ド文系アラサー男と数学オタク女子高生の二人は自分の中の二面性にも見えました。だからどちらの立場でも考えながら読むことが出来ます。

数学ではなく数学的思考の本

思考を整理して考えることの重要さを知りました。でないと自分が納得できないからです。自分が納得しないまま人生を進んでいっては後悔することになります。そりゃそうですよね、自分の人生なんですから納得のいく形で生きていきたいものです。

答えをすぐに求めるのではなく考える事もまた楽しいことを感じました。それも一人ではなく複数人で考えれば面白い答えが出るかもしれないということも、この二人の問答を読んで感じたことです。

お互い知っていることや経験の違う二人が話をしたから、ド文系アラサー男は仕事に数学的思考を取り入れ、数学オタク女子高生は論理だけではない人間的な生き方を求めて新たな成長をすることが出来たのでしょうね。異なる性格や思考を持つ二人が、相手にあって自分にはない物を理解し行動しようとする姿が印象的でした。

数学は本当に嫌いだったのか?と自問してみる

論破されるのが嫌いだったわけではないのかもしれないと気付きました。私はその数学オタク女子高生に抱いた最初の嫌悪感は「クソ真面目で生意気な上から目線の数学オタク」だからなんて思ってました。

でもそうではなく、自分の苦手な数学を知っている事への嫉妬だったのかもしれないと読み終わった今は考えています。結局私は苦手な数学に向き合う事が嫌だったのです。でもその苦手意識を払しょくしてくれて数学に向き合うきっかけをくれた本書に感謝しています。

私も苦手意識の象徴的存在だった数学をもう一度勉強してみようと考えました。単に問題を解くのではなく、問題を解く過程の楽しさや論理的に考えることの面白さを体感しようと思います。そうすれば自分の思考回路が変化し自分の人生が一味変わるかもしれないと考えたからです。

でも論理的思考だけでは社会を渡り歩いたり人生を豊かにすることは出来ない事も書いてあります。これに関しては数学オタク女子高生ではなくド文系アラサー男が言っていたことです。何事もバランスですね。

「数学的な思考を身につける事で、人生を豊かに生きる」これが数学が「役に立つ」という事なのだと私は感じました。

こんな人にお勧めしたい

・論理的思考を身につけて問題を解決したい
・自分の生き方に迷いや漠然とした不安がある
・数学ってなんの役に立つの?と考えている

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