鬱の発症、長時間勤務とトラブルで心労

私は社会人になってからうつ病を発症しました。とは言っても、その前の時代ごとに鬱につながる要素は色々ありました。親からの精神的虐待、いじめ、暴力教師、孤立などです。自分の性格に起因するものですが、最終的には鬱の発症につながってしまったのです。

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激務中のトラブル

大学時代に法律を学んでいましたがリーマンショックが起こり、再び就職氷河期が訪れました。焦った私はとにかく入社できる会社を探し、新卒でIT企業にプログラマーとして入社することが出来ました。IT業界は激務だとは噂に聞いていましたが、その噂にたがわぬ業界でした。

朝は早くに家を出て、夜は終電帰れない日もしばしばありました。自分も周りも、寝不足や多忙でイライラを募らせていました。そうした状況が数か月続き、身も心も疲れ果ててしまっていました。

そしてただでさえ疲れ果てた状態の時に、トラブルが発生してしまいました。プログラムの不具合です。その時のプロジェクトでは、私はプログラミングの責任者的立場でした。納期をただでさえ過ぎていてただでさえバタバタしているのに、プログラムが全く動かなくなる不具合が発生してしまったのです。

先方が言うには私の書いたプログラムがちゃんとしておらず、そのせいで不具合が発生したということです。

確かに、全体的に大まかな部分は私が書きました。しかしながらそのプログラムは一部分書き直されていました、別のメンバーの人の手によってです。それは私の知らないところで行われていたのです。調べてみると、その不具合の原因はその改変された部分だったのです。

しかしそのプログラムを書いたのは記録上私になっています。このトラブルは、私のせいとされて責められることになったのです。確かに責任者ですから責任をとるのは当たり前の事ではあります。

確かにそのトラブルの原因は私がかかわっていた部分ですが、自分の知らない所で動いていたことに責任をとるのは「?」と思いました。自分だけが責められていました。

最初は仕方ない、責任取ろうと思っていましたが周囲の人間は今まで溜まっていたストレスを発散するかのようにまくし立て、感情に任せてわめいていました。さすがに真相を言おうとするも聞く耳持たず…。ただただ責められるのみでした。

心が壊れる瞬間

なんだか理不尽だなと感じました。自分は責められてつらい思いをしているのに、真犯人はのうのうと平気な顔して普段通りに仕事をしている…。そう思った瞬間、すべてにおいて気力というものが消えうせました。

「なんだこれ?」
「やってられない」

それ以降の世界は完全に変わって見えました。

何から何まで灰色になったような気がして、時間の流れはとても遅くなり、周りの幸せそうな人間が憎くて仕方なくなり「なんで俺だけこんな目に合うんだ」と、そんな気持ちが心の中を支配しました。

多忙と緊張感、蓄積した疲労が無ければ「社会なんてそんなもんだろ」と思えたはずなのですが、この時は違いました。今まではりつめていた糸が切れたかのような感覚になったのです。

次の日の朝、起きると涙が急にあふれ出しました。泣くわけでもなく、ただただ涙を流し続けました。ベッドに横たわりながらボロボロと涙を流していました。

体は鉛のように重く、自分の体のようには思えませんでした。体の感覚というものが無くなっていましたし。そして頭も、何も考えることが出来なくなっていました

30分ほど経つと、少し落ち着きました。涙をパジャマの袖で拭いて、やっとの思いで上半身を起こしました。「いくらなんでもこれは変だ」と、そう思った自分は、会社を休んで心療内科に行きました。

診断されてしまった…

やっとの思いで心療内科に行きました。IT業界は鬱の人が多いとは聞いていましたが、まさか自分が本当になってしまうなんて…という気持ちはありました。待合室の本棚を見てみると、IT業界と鬱の関係を論じた本が半分以上を占めていました。

実は私はこれまで、鬱に対する理解は全くありませんでした。「鬱なんて心構えの問題」なのだと周りが言っていたのを聞いて、「ああそうなんだ」と思っていた程度です。

だから自分を鬱だと認めることはとても抵抗がありました。その時の自分にとってそれは自分が「弱い」という事、「甘え」ているという事を公にするようなものだと考えたからです。周りも同じように頑張っているのに自分だけ鬱になってしまった事への「恥ずかしい」という気持ちがありました。「ダメ人間」になってしまったと、自分を卑下し、絶望しました。

そして自分の番が来ました。この朝の出来事と、これまでの仕事での経緯を話しました。診断されたのが、「抑うつ状態」です。そこから、私はうつ病と付き合い始めることになるのです。

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