「されど生きているではないか!」三国志 Three Kingdoms 第43話「司馬懿、出仕す」より

三国志 Three Kingdoms 第43話「司馬懿、出仕す」から私がとても心に響いたと思う名台詞・名言を紹介します。会社を辞め、絶望的な状態にいた私はこの名言を思い出し、再起を図りました。

まずはその台詞に至るまでのやりとりから説明します。この話は、赤壁の戦いで敗れた直後の曹操軍のお話です。

スポンサーリンク

曹操、赤壁の戦いで大敗

赤壁の戦いで大敗した曹操軍はボロボロになって自分の本拠地へ逃げ帰ります。身も心もへとへとになった曹操は横たわり、目を閉じています。すると、男の号泣してる声が聞こえてきます。

曹操「誰が、泣いておる?」

部下「このところ、敵地からぞくぞく兵が戻り、九死に一生を得た者たちが再会し、こらえきれず泣いているのです。」

曹操「今日は誰が戻った?」

部下「許チョ(キョチョ)です」

曹操「許チョか…」

曹操は目をゆっくりと開き少し考えた後、疑問を投げかけます。

曹操「奴も、泣くのか?」

許チョという将軍はまさに勇猛果敢な男であり、涙を見せるところなど想像もできない男なのです。曹操は起き上がり、履物を履きます。

部下「…どちらへ?」

曹操「見に行く。」

曹操は兵たちの集まっている場所に赴きます。そこには号泣し、仲間に慰められている許チョがいました。

許チョ「3千の兵のうち生き残ったのは私のみ…わが3千の兵が…」
仲間「もういい、わかった…」

そこへ曹操が現れます。曹操はゆっくりと許チョの隣に腰を下ろします。しかし許チョはバツが悪いのかそっぽ向いてしまいます。

曹操、許チョを訪ねる

曹操「何を泣く?」

曹操「勇敢な武将は血を流しても涙は流さぬ。勝敗は兵家の常である。許チョよ、太鼓を叩け。そして命令をくだすのだ。」

許チョは泣きじゃくったままです。

曹操「聞こえないのか?」

許チョ「…わ…我が3千の兵は…ぜ…全滅しました…た…ただ、申し訳なく…、お…お詫びの…ことば…も…。」

許チョの言葉が言いおわらないうちに曹操はそっぽ向いた許チョを無理やりこちらに向け、体をガシッとおさえつけてこう怒鳴るのです。

曹操「されど生きてるではないか!生きるのだ!ワシは寝たら忘れたぞ!3千の兵がなんだ!では3万与える!笑え!!

そう叫ぶと曹操は許チョをじっと見つめます。

曹操の命令です。従わないわけにはいきません。許チョは泣くのをやめ、必死に笑顔をつくります。

すると曹操も表情を緩め、二人は声を上げて笑うのでした。

されど生きているではないか!

私はガツンと頭を殴られたような衝撃でした。曹操の怒鳴り声というのもあったのでしょうが、「されど生きているではないか!生きるのだ!」という言葉にハッとさせられました。

私はうつ病になって会社を追われるように退職し、お付き合いしていた人とも別れました。もう少し頑張れば何とかなったかもしれない…。職も、パートナーも失いました。許チョとは比べ物にならないでしょうが、私もショックと絶望のさなかにいたのです。

「消えてしまいたい…」「いっそ死にたい」などという思いが頭の中を支配していたのです。

そんな中のあの言葉、生きていることを自覚させられました。

どれだけのことがあっても今、生きているではないか。生きているならば、命さえあればまた一から生きればいいじゃないか。生き直せる命があるのだからそれだけで十分だ。

過去に起きたことなどにいつまでも引きずられるな。一晩ぐっすり寝て忘れてしまえ。

くよくよ考えても仕方ない。笑顔を取り戻して、前に進め!

なんだかすっきりとした気分になりました。むしろ何も無くなったのでさっぱりと、晴れ晴れした心地さえ覚えました。どうせこうなったのだから、これからは自分の生きたいように生きてみようか。

そこからは前向きになることが出来ました。せっかくだから生きてみようと思ったのです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする