音楽が、ひ弱な子供に自信をくれた

最初はいやいやながら入部し、いやだいやだと言いながらも部活を続けました。
しかし練習をすすめ、場数を踏んでいくうちに徐々に上達していきました。

別の後輩が自分のパートに入ってきました。
どうせまた邪険にされるんだろうなと思っていましたが、特に何も起こりませんでした。

時には衝突したりというものはありましたが、昔のように頼りないだのと嫌な言葉をはかれたりというのはありませんでした。

それどころか、お世辞も入ってはいるでしょうが
先輩の演奏はお手本です、いつも真面目に練習していてすごいです。
と言ってもらえたのでした。

さらに、ソロで演奏する機会が増えていきます。
すると「上手だね」や「感動しちゃったよ」と先生や部外の人に褒めてもらうことも増えていったのです。

正直驚きました。

幸か不幸か真面目な性格だったので、最初は嫌なのに入部したにもかかわらずサボることなく練習していました。

その努力の成果が出たのでした。
鼻高々になりました。久々の高揚感でした。

このまま他の部活にも入らずにぐだぐだやっていては出来ない経験でした。
やればその分結果は出るんだな、そして見てくれている人は評価してくれるんだなと感じました。

これは大きな自信になりました。
この誇りになる気持ちはいまでもしっかりと覚えています。

真面目にやればしっかり結果が出る、頑張れば報われるのです。
たとえそれが嫌なことであってもやり続ければよいことがあります。

自信をつけた私はそこから自分の意思で練習に取り組むようになります。
ようやく楽しいと思うとともに、堂々とした気持ちを手に入れることが出来たのです。

オドオドした部分も少しは軽減されました。

しかし高校進学と同時に私は吹奏楽部というものから離れます。
やっぱりいやいや始めたから、好きなことを探したいという気持ちがあったのです。
すると、これまでの築き上げた自信の根拠がなくなり、再び昔の状態に戻ってしまうのです。

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