人は生きていると病気にかかることがあります。身近な例だと風邪をひくことでしょうか。自分の身の回りを見渡してみると、誰かは何かの病気にかかっているでしょう。その際は「大丈夫かな?」「お大事に」と、心配になりますね。
鬱は甘え?
では、鬱になった時のことを考えてみましょう。急に「鬱は甘えだ」「こっちだって同じ環境なのにお前だけ逃げるのか」とでも言うような責めの言葉を吐いてくる人たちがいます。確かにみんなで頑張っている中、残された側としては「逃げた」「脱落しやがった、情けない」と感じることでしょう。残された側はその分の穴埋めをしなければいけませんし、心に余裕は持てません。
確かにその通りです。うつ病でプロジェクトに穴をあけてしまうと周囲に迷惑をかけることは事実です。そこは申し訳ないと思うのは正常な感情です。でも考え込み過ぎてはいけません。鬱になった自分を責めないでください。
しかし誰しもが病気になってしまうのです。同じ物を食べ、同じものを飲み、同じ時間に寝て起きてという生活をしていても誰かが病気になることはありますよね?家族であれ、同僚であれそういうことは起こります。家族全員同じタイミングで同じ病気になることは稀ですし、会社の同僚でもそうですよね。
心の病気も同じことです。同じことが起こっても、どう感じるかは人それぞれです。トラブルなどの嫌なことが起こったとしてもそれを自分の本領を発揮するチャンスだと考える人もいれば、大きなストレスだと考える人もいます。
そうした心の中でどう感じるかの差でストレスがたまっている量の差がだんだん大きくなってくると、ストレスが多くたまった人は鬱病を発症してしまうのです。だから、「甘え」ではなく、身体の病気と同じメカニズムで発症するのです。
心の健康管理
さて、上記で鬱は甘えではないと書きました。だからといって、これからは大手を振って鬱になって良いというわけでなありません。あくまでこれまでの事は「鬱は甘え」と言っている人たちに対する反論です。
鬱は心の病気です。だから、自分なりの心の健康管理をしていく必要があるのです。体の健康管理をすることと同じように、です。
風邪をひかないように体を温めたり、栄養をとったり睡眠をとるなどの事をしますよね。それと同じように自分の心の状態を常に意識するのです。
ストレスがたまってきたなと感じたらこまめに発散するようにしたり、マイナス思考になりがちになったら楽しいことをしたり、疲れたらしっかり休息をとることです。常日頃から心に注意を払うことで鬱を遠ざけるのです。
そのためには、自分の趣味・楽しいことやストレス発散には何が効果的なのかを知っておく必要があります。個人によって違いますので、何をしているときに楽しいか、打ち込めるか、ストレスがなくなるかを早いうちに研究しておきましょう。
もし鬱の症状が出たら鬱になった自分を早く認めるのです。認めてしまえば楽になります。「私が鬱になるなんて…」「皆に迷惑をかけてしまう」「こんなはずじゃなかった」と考えても良くなりません。
なってしまったら、体の病気と同じようにお医者さんに相談して、病気と向き合いましょう。
まとめ
鬱は甘えではなく、身体の病気と同じく心の病気です。皆と同じ環境でもなってしまう人はなってしまうんです。それは仕方ないことであり、恥じたりする必要はありません。
ですから、体の病気と同じように対処するのです。対処方法は体のそれとは違いますが、鬱も予防できます。さらに病気になったらお医者さんがいます。症状は改善できます。
鬱になってしまった人も、周りの人も、身体の病気とは違いどう対応していいのかわからない部分もあると思います。でも短絡的に考えたり逆に難しく考えることなく、しっかりと正面から向き合っていくようにしてください。