家族や会社の人、友達などがうつ病になってしまった場合、周りにいる人はどう接するべきかわからないという思いがあります。よく「頑張れ」とは言ってはいけないと言われます。本人はすでに頑張りすぎて鬱になってしまったのですから。
私が鬱になる前、鬱になっていく人やすでに鬱病の人と何人も関わってきました。「正直、他の人たちと違うから関わりにくい」という思いが強かったのですが、自分がなってみると病気の人の気持ちがわかりました。
周りの人が鬱になったときの5つの対応
この記事では本人への対応や周囲への対応を5つ書かせていただきます。
①話を聞いてあげて心に寄り添う
鬱になってしまった時に、それを気にかけて心配してくださる方がいました。「おい、大丈夫か?話くらいなら聞くぞ」と声をかけてくださる方がいたのです。ありがたいと思い、それまでの出来事や症状を話しました。
最初は「うんうん」と聞いてくださっていたのですが話がすすむにつれて「それはこうなんじゃない?」「そういうときは○○すればいいんだよ」とおっしゃるようになったのです。元々口下手な私はこのアドバイスを挟まれることで話を続けにくくなってしまいました。
アドバイスをしてくださるのはありがたかったのですが、共感してくれるだけで安心できるんです。アドバイスへの感謝の気持ちはもちろんあります。しかし「うーん」という煮え切らない思いも残りました。
ですから、もし気にかかったり心配だなと思ったら話を聞いて共感してあげてください。それだけで全然違うのです。「ありがとうございます。この人に話を聞いていただけたおかげで気持ちが楽になった。この調子で回復させていこう」という気持ちになれるのです。
②普通に接する
心の病気というのは身体のそれとは違い、なかなかわかりにくい病気です。人間わからない物や事に関しては不気味な怖さを覚えます。その為、どう接すれば良いのかわからないという事もあります。
特に何かを変える必要はありません。もし風邪をひいている人を見かければ「大丈夫か?早く帰りな」と、ブラックな会社じゃなければ声をかけるでしょう。それと同じ感じで良いのです。
ただの病気なんです。あえて「ただの」と言いました。根本的な人格が変わってしまったわけではありません。PCがよくフリーズするようになってしまったとかバグったりしたようなものです。だから腫れ物に触るような感じにしないでください。
腫れ物に触るように接してしまうと、「あぁまた心配や迷惑をかけてしまっている」と感じてしまい、焦ってしまうのであくまでも普通にお願いします。
③休ませる
鬱の人は内心焦っています。「自分が鬱病だなんて認めない!」や「治さなきゃ」という思いがそうさせてしまうのです。焦ってしまうけど心と体がいう事を聞きません。だからさらに焦ってしまい収拾がつかなくなります。
これが仕事ですと本人もダメになっていきますし、周囲としても正直迷惑です。実際私もバグの多いプログラムを組んでしまいそれを他の人に修正してもらう事になってしまいました。「迷惑をかけてしまった。早く休んでしまえばよかったものを。」と後から思ったのです。
本人の為にも、そしてチーム全体の為にも強制的に休ませるようにしてください。「休んで回復することも仕事だ」と言い聞かせるなりして帰らせるくらいの勢いで良いと思います。
でも最後に「復帰を待っているよ。」と言ってもらえれば「帰る場所はある」と安心して休むことが出来ます。
④関わらない
「何でそんなにこっちが気を使わなきゃいけないんだ」と思われる方もいるでしょう。確かに私も鬱になる前に、鬱病の人と関わるときはそう考えました。どうしても気になってしまいますし人によっても関わり方が違い、テンプレートが無いのでそこは面倒かもしれません。
だったら関わらないようにすればいいんです。軽く考えてください。決して文句を言いに行ったりしないようにしましょう。
私の時も一人いました。すごい嫌な顔をしながらこっちを見てきたり、それまでは普通に話していたのが復職後は喧嘩腰というかつっけんどんな感じになったりしてきたのです。まぁその人はもとから私の事を小ばかにする感じの人だったので、その人の性格なんだと思いますがね。
関わることでお互い嫌な空気になるなら関わらないようにしてください。本人の回復の妨げになりますし、自分も嫌になるでしょう。お互いの平和のためです。
⑤鬱予備軍がいないか確認
気持ちというものは伝染します。何でかわかりませんがそうです。機嫌悪い人が近くにいれば自分も嫌な気分になります。逆に楽しい人がいればその人の周囲もパッと明るくなります。
もしそこが仕事場であれば、同じ環境・同じような作業・同じくらいの残業量があることでしょう。そこで一人鬱病になってしまったとします。
なってしまったのは一人かも知れませんが、他の人ももしかしたらギリギリセーフなだけで危ういかもしれません。そしてその一人から連鎖的に・・・という恐れも捨てきれません。
その為、他の人たちは大丈夫かどうか確認してみてください。もし危ないのであれば産業カウンセラー等に相談し対策を練ると良いでしょう。
まとめ
1.寄り添って話を聞いてあげる、アドバイスは不要
2.普通に接する、腫れ物に触るような風にはしない
3.休ませる、本人が退屈になるくらいまで休養をとらせる
4.鬱の人が嫌ならせめて関わらないようにする
5.鬱予備軍がいないかチェックする
以上、私の体験から5点に分けて書きました。鬱の人は病気だからこうなってしまっているだけであってその人自身が悪いというわけではないのです。「病気だから仕方ないか」と割り切っていただくとありがたいです。
私の鬱が悪化した時に色々心配してくださった方々には本当に感謝しております。どうもありがとうございました(多分このサイトにくることは無いでしょうがお礼を申し上げます)。また、ご迷惑をおかけした方々にはお詫びしたいです。
今後は心の病気の人とそうではない人をつなぐ役割が出来たらいいなと考えています。